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蒸留とは?原理・目的・蒸留の種類を解説

2023/07/10
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蒸留とは?原理・目的・蒸留の種類を解説

蒸留は化学や分離技術において重要な役割を果たす方法です。さまざまな産業や研究分野で広く利用されています。

蒸留にはさまざまな種類や技術が存在し、それぞれの特性に応じて適切な方法が選択されます。いずれの方法でも、分離によって純度の高い成分を得ることが蒸留の目的です。

このページでは、蒸留の基本原理とその応用について解説します。

蒸留とは

蒸留は、混合物を加熱した際の成分の沸点差を利用し、液体の分離・純化を行う方法です。

混合物を加熱し、得られた蒸気を冷却して再凝縮させることで、成分ごとに異なる沸点を持つ液体を分離します。

蒸留の定義と目的

蒸留の主な目的は、異なる沸点を持つ混合物を分離して、純粋な物質を得ることです。

混合物を加熱したときの成分の沸点差により蒸気にし、そのあとで再冷却すると、混合物を分離できます。

このように、純度が高い状態で成分を分離できる点が蒸留のメリットです。

蒸留この分離を活かし、化学工業や醸造業、医薬品製造などさまざまな分野で広く利用されています。

蒸留の原理

蒸留の原理は、成分の沸点差に基づいて液体の分離を行うことです。以下、蒸留のやり方について説明します。

  • 混合物を加熱すると、成分の中で最も低い沸点を持つ物質が蒸気として蒸発する
  • 蒸気は冷却され、再び液体として凝縮される
  • 凝縮した液体は、より純度の高い成分を含まれる
  • この凝縮液を収集し、残りの混合物を再び加熱して蒸気を発生させる
  • このプロセスを繰り返すことで、成分をより純度の高い状態で分離する

蒸留では、異なる成分の沸点差を利用することで、分離の精度を高めることができます。また、蒸留では減圧や特殊な条件を設定することで、高度な分離や特定の成分の回収も可能です。

蒸留とろ過の違い

蒸留とろ過は、化学や分離技術においてよく用いられる二つの異なる方法です。蒸留は液体混合物の成分分離と純化に使用され、ろ過は液体と固体の分離に使用される点が違います。

蒸留は、混合物の成分を沸点の差を利用して分離する方法です。混合物を加熱して蒸気として蒸発させ、それを冷却して再び液体として得ます。このプロセスにより、異なる沸点を持つ成分を分離し、純度の高い成分を得ることができます。蒸留は主に液体混合物の分離や純化に適しています。

一方、ろ過は、混合物中の不溶性物質や固体を取り除くための方法です。混合物を適切なろ過装置(例:フィルター)に通すことで、不溶性物質や固体を取り除きます。ろ過は主に液体と固体の分離に使用され、例えば浄水場での水の濾過や化学実験における固体の分離などに適しています。

蒸留とろ過の主な違いは、対象とする分離の種類です。蒸留は液体混合物の成分を分離し、ろ過は液体と固体の分離を行います。また、蒸留では加熱と冷却を使用し、沸点の差を利用しますが、ろ過では物理的な障壁(フィルター)を使用して固体を取り除きます。

蒸留と還流の違い

蒸留と還流は、化学や分離技術において関連するものの異なる概念です。

蒸留は、混合物の成分を沸点の差を利用して分離する方法であり、主に液体混合物の分離や純化に使用されます。蒸留では、混合物を加熱し、成分の異なる沸点を持つ物質を蒸発させます。その蒸気を冷却して再び液体として得ることで、異なる成分を分離します。

一方、還流は蒸留プロセスにおいて使用される技術であり、蒸気を冷却し再び液体に戻すことを指します。蒸留において、蒸気が冷却されて液体に戻る過程で、蒸留フラスコ内に設置された還流装置が使用されます。還流装置は、冷却器や回収器などから構成され、冷却された蒸気を一部またはすべて液体に戻すことで、混合物の分離効率を高めます。還流により、蒸留過程で失われる成分が再び混合物に戻り、より効率的な分離が行われます。

 

簡単にまとめると、蒸留は混合物の成分を分離する方法であり、還流は蒸留プロセスで蒸気を液体に戻す技術です。還流により、蒸留過程の効率と精度が向上し、より純度の高い成分を得ることができます。

理論段数

蒸留の理論段数(theoretical plates)は、蒸留カラム内の分離効率を表す指標です。理論段数が多いほど、蒸留プロセスでの成分の分離が効率的に行われます。

理論段数は、カラム内での物質の蒸発と液体の凝縮が交互に起こることによって、成分が混合物から分離されるプロセスを表現します。理論段数は、カラム内の増設可能な段(プレート)の数として考えることができます。

蒸留カラム内の理論段数は、カラムの設計や操作条件(温度、圧力、フロー率など)によって異なります。通常、理論段数が多いほど分離効率が高まり、より純度の高い成分を得ることができます。しかし、理論段数が増えると装置のサイズやエネルギー消費量も増加するため、実際の運用では経済性や効率のバランスを考慮する必要があります。

理論段数は、蒸留カラムの種類や設計、混合物の特性に応じて最適化されます。実際の蒸留操作では、理論段数の近似値を使用してカラムを設計し、分離の要求に応じた適切な性能を達成します。

蒸留の種類

蒸留は細かく分類すると5種類に分かれています。ここでは、5つの蒸留について詳しく説明します。

単蒸留

単蒸留は、混合物を一度の加熱で分離する最も基本的な蒸留法です。混合物全体が沸騰し、蒸気として上昇した後、再凝縮されて液体として分離されます。

分留(分別蒸留)

分留は、混合物を複数の成分に分けて分離する蒸留法です。連続的に加熱と冷却を繰り返すことで、異なる沸点を持つ成分を段階的に分離します。分留によって、より純度の高い成分を得ることができます。

減圧蒸留(真空蒸留)

減圧蒸留は、加熱時に気圧を低下させることで、成分の沸点を下げて分離を促進する蒸留法です。特に高沸点成分の分離に効果的であり、熱分解や品質の劣化を防ぐことができます。

分子蒸留

分子蒸留は、分子の大きさや分子間力を利用して成分を分離する高度な蒸留法です。混合物を加熱し、短い距離の蒸留装置内で蒸発・凝縮を繰り返すことで、高い純度の成分を得ることができます。特に熱に敏感な化合物の分離に適しています。

水蒸気蒸留

水蒸気蒸留は、水蒸気を利用して成分を分離する蒸留法です。混合物に水を加えて加熱し、混合物中の揮発性成分が水蒸気として蒸発します。その後、水蒸気を冷却して再凝縮させることで、成分を分離します。特に植物からの精油抽出や天然物の分離によく用いられます。

エタノールを用いた蒸留の例

エタノールは、蒸留によって純度を高める一般的な対象物です。蒸留においてエタノールを分離・純化するためには、エタノールと水との混合物を扱います。

エタノールと水は、沸点の差が比較的小さいため、単蒸留では完全に分離することは難しいです。そのため、一般的には分留(分別蒸留)を用います。分留では、混合物を加熱し、異なる沸点を持つ成分を段階的に分離します。エタノールは低い沸点を持つため、初めに蒸留物として得られます。

しかし、完全に純粋なエタノールを得るには、さらなる工程が必要です。減圧蒸留(真空蒸留)を用いることで、エタノールの沸点を下げ、水との分離を容易にします。減圧下での蒸留により、高純度のエタノールが得られます。

エタノールの純度をさらに高めるためには、分子蒸留が適用されることもあります。分子蒸留は、エタノールと水の分子の大きさや分子間力を利用して、さらなる分離を実現します。

まとめ

蒸留は、混合物の成分について沸点差を利用して分離・純化する方法です。蒸留は化学や製造業で広く使用され、異なる蒸留法を選択することで、より精度の高い分離や特定の成分が回収できます。

イハラニッケイでは蒸留を用いた有機化学品の研究開発および工業生産を得意としています。

蒸留による製品開発をご希望の方はぜひ当社までお問い合わせください。

 

               

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